親友から率直な感想やアドバイスをもらいながら、スマートフォンの壁紙を制作してきました。
テーマは、
「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」
毎日何度も目にする壁紙だからこそ、ただ「きれいな画像」を作るのではなく、スマートフォンを開いたときに、そこにある普通の暮らしを見て、少し気持ちを戻せるような一枚を目指しました。
もちろん、壁紙に医学的な効果があることを示すものでも、治療を目的としたものでもありません。
AIで画像を作り、実際に見てもらい、感じたことを聞きながら修正する。
その繰り返しで、最初に思い描いていた「きれいな部屋」は、少しずつ「誰かの普通の一日」へと変わっていきました。
ここでは、その制作過程を振り返ります。
試行の記録
「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」を形にする
最初に考えたのは、自然光や植物などを取り入れた、落ち着いて過ごせる空間です。
ただ「リラックスできそうな画像」を作るのではなく、
穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていくような空気感
そのものをどうすれば画像にできるのかを考えました。
自然光、植物、窓、穏やかな色合いなどを組み合わせ、まずはこのテーマを視覚化するところから始めました。

①「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」を形にする
自然光や植物を取り入れ、落ち着いて過ごせる空間を描く
「穏やかな時間」を感じられる要素を加える
次の段階では、朝の光や窓から見える景色や小物などを加えました。
「朝」という時間には、生活が始まっていく感覚があります。
ただし、朝日そのものを強く印象づけたいわけではありません。
あくまで、
穏やかな一日が始まっていることを感じられる空気
を表現したいと考えました。
小物も「動き」を感じるようにすることで、空気感が出せることに気づきました。
ただ、制作を進める中で、動きそのものを強調すると、自然な暮らしよりも「演出」が目立ってしまうことにも気づきました。

②「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」を具体化する
朝の光や窓から見える景色など、穏やかな時間を感じられるようにする
リゾート感を減らし、日常生活を感じる小物を追加
制作を続けるうちに、最初の画像には少し「特別な場所」のような雰囲気があることに気づきました。
きれいではあるけれど、
「自分が普段暮らしている場所」
とは少し違う。
そこで、本、時計、手帳、水など、日常生活の中にあるものを加えました。
特に時計や手帳などは、単なるインテリアではなく、
毎日の生活が続いていること(生活リズム)
を感じさせるものとして取り入れました。

③リゾート感を減らし、日常生活を感じるように
本・時計・手帳・水などの日常生活の小物を追加し、生活リズムを感じられるようにする
理想より、日常の空間へ
さらに、
「憧れの部屋」ではなく、
普通の暮らしを感じられる部屋
に近づけることを考えました。
モデルルームのように完璧に整った空間よりも、
「ここで誰かが毎日生活している」
と感じられる方が、今回のテーマには合っているのではないか。
そう考え、少しずつ方向を変えていきました。

④理想より、日常の空間へ
「憧れの部屋」ではなく、普通の暮らしを感じられるように
部屋の生活感を調整
ここでは、整いすぎていた空間をさらに見直しました。
本やブランケットなどに、ほんの少しだけ「使った跡」を感じられるようにする。
すべてが完璧に片付いているのではなく、
「昨日もここで過ごし、今日もここで過ごしている」
という具体的なイメージを持てるようにしていきました。
ただし、散らかった部屋にしたいわけではありません。
「生活感」と「雑然さ」は違います。
目指したのは、誰かの生活が自然に続いていることが感じられる程度の、ささやかな生活の痕跡でした。

⑤部屋の生活感を微調整
整いすぎた空間から、人が実際に暮らしていることを想像できる空間へ
生活の痕跡と、時間の継続性を加える
さらに、
「この生活は今日だけではない」
という感覚をさらに強化しました。
開いた本にはしおりを挟み、
「また後で続きを読む」
という続きを感じられるようにする。
飲み終わっていないマグカップには、まだ湯気を残す。
ブランケットには、少しだけ座った跡をつける。
こうした小さな要素によって、
「昨日から今日へ、そしてこれからも」
生活が続いているような印象を目指しました。
完成された一瞬ではなく、
これからも穏やかな毎日が続いていく
という感覚です。

⑥生活の痕跡・時間の継続性を追加
昨日から今日まで続いている生活の痕跡を小物で表現。穏やかな生活が継続しているように
美しさを少し減らし、暮らしを主体にする
ここからは、画像そのものの「美しさ」についても見直しました。
きれいな光、揺れるカーテン、印象的な景色。
こうした要素は画像としては魅力的です。
しかし、それが強くなりすぎると、
「美しい風景を見る画像」
になってしまいます。
今回作りたいのは、それとは少し違います。
そこで、光やカーテンの動きなどを細かく調整しました。
レースカーテンはほとんど動かさず、注意して見て初めて空気の流れに気づく程度に。
朝日も目立たせすぎず、部屋全体を柔らかく照らす自然光として扱いました。
光や風を見せるのではなく、そこにある暮らしを見せる。
そんな方向へ変えていきました。

⑦美しさよりも、暮らしを主体に
光・カーテンなどの演出を弱め、見たときに暮らしが主体になるように
さらに「暮らしそのもの」を主役にする
⑦では「光や風などの演出を弱める」ようにしました。
さらに⑧では「その結果として、暮らしそのものを主役にする」ように取り組みました。
朝日の存在感をもっと抑え、
「朝日がきれいな部屋」ではなく、
「穏やかな朝の生活が営まれている部屋」
を目指しました。
光は主役ではありません。
カーテンの動きも主役ではありません。
植物や景色も主役ではありません。
それらはすべて、暮らしを支える背景です。
この段階で、最初に考えていた「きれいな画像を作る」という方向から、かなり離れていきました。
むしろ、
どこにでもありそうな普通の生活を、どこまで自然に描けるか。
そこが重要になっていきました。

⑧さらに「暮らしそのもの」を主体に
光をほぼ背景化し、暮らしそのものが主役になるように微調節
人物を加える
ここで、画像の中に人物を加えることも考えました。
理由は、
「この生活を自分にも重ねられるのではないか」
と考えたからです。
人物がいることで、その空間が単なるインテリアではなく、
「誰かがここで生活している場所」
になります。
ただし、人物を主人公のように目立たせることは避けました。
何かを達成している人でも、強く笑っている人でもありません。
本を読んだり、飲み物を飲んだり、窓の外を眺めたり。
肩の力が抜けた、自然な時間を過ごしている人物です。
「頑張っている人」ではなく、
ただ、その日の生活を過ごしている人。
それくらいの存在感を意識しました。

⑨人物を加え、暮らしへの自己投影を促す
見る人がその暮らしに自然と自分を重ねられるように
【完成】日本人の日常に近づける
最後に大きく考え直したのが、
「この部屋は、本当に生活に近いだろうか?」
ということでした。
これまでの画像には、まだ少し「理想の暮らし」や「特別な空間」の雰囲気が残っていました。また、「外国の暮らし」の雰囲気があり、日本人の生活の雰囲気とかけ離れた印象がありました。
そこで、日本で暮らす人が、自分の日常と重ねやすい空間に近づけることを意識しました。
特別に広い部屋でもない。
豪華な家具があるわけでもない。
雑誌に掲載されるような完璧なインテリアでもない。
けれど、
「こういう部屋なら、今日も普通に過ごせそう」
と思える。
そんな等身大の生活空間を目指しました。

⑩日本人の日常に近づける
特別な暮らしではなく、多くの日本人が「自分の生活にもありそう」と感じられる空間へ
10回の改良で変わったもの
振り返ってみると、テーマにしていた穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感のとらえ方が、最初と最後では、随分と変わりました。
最初は、パッと見て
「穏やかで美しい画像」
を作ろうとしていました。
そこから、
「穏やかな時間が流れていることを感じられる画像」へ。
さらに、
「日常生活を感じる画像」
へ。
そして、
「昨日から今日へ続いている生活を感じる画像」
へ。
最後には、
「特別ではない、普通の暮らしそのものを感じる画像」
を目指すようになりました。
つまり、画像の美しさを追求するほど良いわけではありませんでした。
むしろ少しずつ、
美しさより生活。
演出より自然さ。
特別さより日常。
という方向へ進んでいきました。
なぜ「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」なのか
今回の壁紙を作るうえで、一番大切にしている言葉が、
「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」
です。
人は毎日、同じ気分で過ごしているわけではありません。
楽しい日もあれば、疲れている日もある。
何もしたくない日もあれば、いろいろなことをやりたくなる日もある。
そんな中で、
「いつでも前向きになろう」
とする画像を作りたいわけではありませんでした。
むしろ、
どんな気分の日でも、自分らしい穏やかな生活に少し気持ちを戻せないだろうか。
そう考えました。
だから、
「元気を出そう」
「頑張ろう」
「もっと前へ進もう」
というメッセージは入れていません。
見る人を強く動かすのではなく、
そこにある普通の暮らしを眺めることで、
「こういう時間もいいな」
「今日はこのくらいで過ごそう」
と自然に感じられる。
そんな画像を目指しています。
親友と一緒に作っている理由
今回の制作では、親友から率直な感想をもらっています。
「この色の方が落ち着く」
「こっちの方が好き」
「これは少し違う」
そんな感想を聞きながら、一枚ずつ修正してきました。
自分一人で作っていると、
「きれいだから、これでいいだろう」
となってしまうことがあります。
でも、実際に他の人から意見をもらうと、
「きれいだけれど、少し違う」
という部分に気づくことがあります。
今回の制作では、その違いを大切にしました。
AIに一度プロンプトを入力して終わりではありません。
作って、見てもらって、考えて、修正する。
それを何度も繰り返してきました。
その結果、最初に自分が想像していた壁紙とは、かなり違うものになっていきました。
この壁紙に医学的な効果があるとは考えていません
ここは、あらかじめ明確にしておきたいと思います。
今回の壁紙は、治療を目的として制作しているものではありません。
また、壁紙を見ることによって精神状態が改善する、症状が軽くなるといった医学的効果を示すものでもありません。
実際にどのような影響があるのかは分かりません。
だからこそ、
「この壁紙を見れば大丈夫」
というものではなく、
「少しでも穏やかな時間を思い出すきっかけになれば」
という思いで制作しています。
効果を約束するものではありません。
それでも、毎日何度も目にするスマートフォンの画面だからこそ、そこにどんな景色を置くのかを考える意味はあるのではないかと思っています。
完成した壁紙が目指すもの
最終的に目指したのは、
「気分を上げる画像」でも、
「頑張るための画像」でも、
「理想の生活を見せる画像」でもありません。
その日の気分がどんなものであっても、スマートフォンを開いたときに、そこにある普通の暮らしを眺める。
そして、
「こういう穏やかな生活に戻っていけたらいいな」
と、自然に思える。
そんな一枚です。
ただ、最初から「普通の暮らしを描けばいい」と分かっていたわけではありません。
最初は「きれいな部屋」を作ろうとしていました。
そこから制作を重ねる中で、
「きれいだけれど、少し特別すぎる」
「もう少し日常の生活が感じられた方がいい」
と考えるようになりました。
本や時計、手帳、水、ブランケット。
さらに、使った跡や、昨日から続いているような生活の痕跡を加えていきました。
一方で、光やカーテンの動きなど、画像として美しく見える演出は少しずつ控えていきました。
そして最後には、日本人が普段暮らしているような、特別ではない普通の生活空間へと近づけていきました。
美しさより生活。
演出より自然さ。
特別さより日常。
そう考えるようになったことが、今回の制作で一番大きな変化だったと思います。
もちろん、この壁紙を見ることで何らかの効果が得られるとは分かりません。
それでも、毎日何度も目にするスマートフォンだからこそ、
「そこにどんな景色を置くか」
を考えてみる。
その景色が、見る人にとって、
「穏やかな生活へ自然と気持ちが戻っていく空気感」
を感じるきっかけの一つになれば。
そんな思いで、今回のスマートフォン用の壁紙を完成させました。

今回制作した壁紙は、以下からご覧・ダウンロードいただけます。
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